海外で長く暮らしていた帰国子女なら、英検1級もそれほど難しくないのでは?と思う人もいるかもしれません。
反対に、帰国子女なのに英検1級の過去問を解いて思ったほど点が取れず、英語は話せるのに、どうしてこんなに難しいんだろうと戸惑っている人もいるでしょう。
Hi、Yuru~ku EnglishのManjiroです。
結論からいうと、帰国子女であっても英検1級に専用の勉強なしで合格できるとは限りません。
ただし、ここで帰国子女でも難しいと一括りにしてしまうのも正確ではないんですよ。
帰国子女と呼ばれる人の中にも、海外で暮らした年数、帰国した年齢、現地校と日本人学校のどちらへ通ったか、英語でどの程度読み書きをしてきたかなど、大きな違いがあります。
日常会話をほぼ不自由なくこなせる人でも、高度な語彙を選ぶ問題や長文読解、英文要約、社会問題についての意見論述となると、別の練習が必要になることがあります。
現在の英検1級は、英検協会が大学上級程度とする最終目標の級です。
一次試験ではリーディング、ライティング、リスニングがあり、さらに一次試験を通過すると、社会性の高いテーマについてスピーチと質疑応答を行う二次試験があります。
つまり、英語を自然に話せることは大きな強みですが、それだけで試験のすべてをカバーできるわけではありません。
この記事では、帰国子女の英検レベルをどう考えればよいのか、英検1級はどれくらい難しいのか、準1級とは何が違うのか、ネイティブなら対策なしでも受かるのかまで整理します。
さらに、最年少合格者について検索するときの注意点や、帰国子女が英検1級へ向けて優先したい勉強まで詳しく見ていきます。
英検1級は帰国子女でも難しい?
英検1級の難しさを考えるときに、まず押さえておきたいのが、英語を使えることと英検1級で得点できることは完全には同じではないという点です。
もちろん、海外生活によって身につけたリスニング力や発音、会話力、英文を英語のまま理解する感覚は大きな武器になります。
一方、英検1級では試験時間の中で高度な文章を読み、語彙問題を解き、英文を要約し、自分の意見を書き、さらに二次試験では短時間で論点を整理して話す必要があります。
この試験で要求される形に慣れているかどうかが、帰国子女にとっても重要になってきます。
・帰国子女の英検レベルはどのくらい?
・英検1級はどれくらい難しいのか
・英検1級と準1級の差はどこにある?
・ネイティブなら英検1級に簡単に受かる?
帰国子女の英検レベルは人による

帰国子女なら英検は何級くらい?という疑問は多いですが、実は帰国子女という言葉だけでは判断できません。
海外で10年間英語による教育を受けた人と、幼少期に2年間海外で生活した人では、英語を使ってきた時間も読み書きの経験も違います。
さらに、同じ海外生活でも、現地校やインターナショナルスクールで英語を使っていたのか、日本人学校を中心に生活していたのかによっても状況は変わります。
そのため、帰国子女だから準1級までは簡単、帰国子女なら1級を受けるべきと決めてしまうのはおすすめできません。
受験級を決めるときに見るべきなのは肩書きではなく、現在のリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの実力です。
例えば、英語で友達と何時間でも話せる人でも、普段ほとんど英語の記事や本を読んでいなければ、1級の長文や語彙問題で苦戦する可能性があります。
逆に、話すときには少し慎重になる人でも、英語で大量に読書をしてきた経験があれば、リーディングや語彙では強みが出るかもしれません。
帰国子女の英語力は話せる・話せないの二択ではありません。
読むのが強い人、聞くのが強い人、会話は自然だけれどアカデミックな文章を書く経験が少ない人など、それぞれ得意分野が違います。
だからこそ、最初に英検公式の過去問を時間を計って一度解いてみるのがかなり大切です。
そこでリスニングは十分取れるけれど語彙が弱い、文章は読めるのに要約で時間が足りないといった具体的な課題が見えてきます。
帰国子女であることは有利になり得ますが、それは合格を自動的に保証するものではありません。
今ある英語力を、英検1級で点になる形へ変える。
この考え方で対策を始めると、何を勉強すればよいかがかなり見えやすくなりますよ。
英検1級は大学上級程度が目安
英検1級がどれくらい難しいのかを知るには、まず英検協会が示している基準を見るのが一番わかりやすいです。
英検協会では、準1級を大学中級程度、1級を大学上級程度の目安としています。
さらに1級では、専門的な話題について複雑な文章や話の展開を理解し、自分の考えを根拠とともに詳しく、論理的に伝えられることが合格の目安とされています。
ここで重要なのは、難しい単語をたくさん知っていれば1級という試験ではないことです。
一次試験には、語彙を含むリーディングだけでなく、英文要約、意見論述、リスニングがあります。
リーディング・ライティングの試験時間は100分、リスニングは約35分です。
一次試験に合格すると、二次試験では約10分の英語面接を受けます。
二次試験では5つのトピックから1つを選び、1分間で内容を考え、2分間のスピーチを行ったあと、面接委員からの質問に英語で答えます。
テーマも単純な自己紹介ではありません。
科学、経済、社会制度、環境、教育、文化など、社会性の高い話題についてその場で考え、立場を示し、理由を説明する力が求められます。
ここが、日常英会話が得意な人でも対策したほうがよい理由です。
友人との会話なら、話題について詳しく知らなくても相手へ質問したり、簡単な言葉へ言い換えたりしながら会話を続けられます。
しかし試験では、決められた形式と時間の中で、自分の力を採点者へ伝えなければなりません。
英語そのものの難しさに加えて、この時間制限と形式への対応も英検1級の難しさなんです。
1級と準1級には明確な差がある

英検準1級に合格したあと、そのまま1級も狙えるかなと考える人は多いと思います。
もちろん準1級合格は1級へ進む大きな土台になります。
ただ、準1級と1級の間には、単純に問題が少し難しくなるだけではない差があります。
| 比較項目 | 英検準1級 | 英検1級 |
|---|---|---|
| 英検協会の推奨目安 | 大学中級程度 | 大学上級程度 |
| 一次のR・W時間 | 90分 | 100分 |
| リスニング | 約30分 | 約35分 |
| 一次合格基準CSE | 1792 | 2028 |
| 二次試験 | 約8分 | 約10分 |
| 二次合格基準CSE | 512 | 602 |
| 二次の中心 | 4コマのナレーションと質疑 | 2分間スピーチと質疑 |
特に差を感じやすいのが語彙、読解、ライティング、二次試験です。
準1級でも社会的な話題を扱いますが、1級になると、より専門性のある内容を扱いながら、文章全体の論理や細かな情報まで追う必要があります。
さらに二次試験では、準1級のようにイラストの展開を説明する形ではなく、提示されたテーマから一つ選んで自分で話を組み立てます。
つまり、1級では英語を理解する力に加えて、自分で論点を整理し、その場で英語として組み立てる力の重要性がさらに高くなります。
準1級に余裕を持って合格した人であっても、1級の過去問を初めて解くと語彙問題で急に難しく感じることがあります。
これは珍しいことではありません。
準1級までの勉強が無駄だったわけでも、英語力が足りないと決まったわけでもないんです。
1級には1級の範囲と解き方があるため、そこで新しい学習段階へ入ったと考えたほうがよいでしょう。
2024年度から要約問題も追加
英検1級対策について古い記事や動画を見るときには、一つ注意したいことがあります。
英検は2024年度第1回検定から、一部の問題形式がリニューアルされています。
1級ではリーディングの一部設問が削減される一方、ライティングが従来の意見論述1題から、英文要約と意見論述の2題になりました。
そのため、これから受験するなら英作文だけ練習しておけばいいという対策では足りません。
要約では、元の英文に書かれている情報の中から重要な部分を見極め、自分勝手な意見を加えず、内容を短く整理する必要があります。
英語を自然に書ける帰国子女でも、要約という作業に慣れていなければ最初は時間がかかるかもしれません。
逆にいえば、ここは練習によって改善しやすい部分でもあります。
過去問や公式の出題例を使いながら、何を残して何を削るかを意識して練習してみてください。
古い教材を使う場合も、現在の形式に対応しているか必ず確認しておくと安心です。
ネイティブでも対策は無駄ではない
英検1級はネイティブでも落ちるという話を見かけることがあります。
ただ、この表現は少し注意して読んだほうがいいかなと思います。
英語を母語とする人の英検1級合格率を示す公式統計が一般向けに示されているわけではないため、ネイティブでも普通に落ちると割合まで想像して断定することはできません。
一方で、ネイティブスピーカーだから何の準備もせず必ず合格できる、と考えるのも適切ではありません。
理由は、英検1級が普段の会話能力だけを測定する試験ではないからです。
例えば語彙問題では、日常会話ではそれほど頻繁に使わない語が出てくることがあります。
母語話者であっても、すべての英単語を知っているわけではありません。
日本語の母語話者でも、難しい国語試験へ何の準備もせず挑めば、知らない熟語や専門的な文章に出会いますよね。
英語でも基本的な考え方は同じです。
さらに英検1級では、文章を指定された形で要約する力、社会的なテーマについて論理的に意見を書く力、1分で考えて2分間スピーチする力なども問われます。
普段から英語を使っている人なら言語処理そのものでは有利でしょう。
それでも、問題形式や採点されるポイントを事前に知り、少なくとも何度か過去問やスピーチ練習をしておく意味はあります。
帰国子女についても同じです。
英語が話せるから勉強しなくていいではなく、すでに持っている英語力を使い、試験対策の時間を必要な部分へ集中させると考えるほうが効率的ですよ。
英検1級はどれくらいすごい?
英検1級について調べていると、結局、英検1級ってどれくらいすごいの?という疑問も出てきます。
ここは、単にものすごくすごい資格ですと言うだけではあまり参考になりません。
何ができることを想定した級なのかを見ると、1級の位置づけがもっとわかりやすくなります。
英検では最終目標となる級
英検協会は、1級を英検における最終目標となる級と位置づけています。
求められるのは、広く社会生活で必要となる英語を十分に理解し、使用する力です。
読む技能では社会性の高い幅広い分野の文章を理解すること、聞く技能では幅広い内容を理解すること、話す・書く技能でも社会性の高い話題を扱う力が求められます。
つまり、海外旅行で困らない、外国人と日常会話ができるという地点より、かなり先を見ている試験なんです。
もちろん、英検1級を持っているだけですべての英語場面に完璧に対応できるという意味ではありません。
資格試験の結果と、仕事での専門知識、交渉力、特定分野の語彙、実際のコミュニケーション経験などは別に考える必要があります。
それでも、読む・聞く・書く・話すという複数の技能で高い水準を求められる試験を通過したことは、英語学習の成果を示す一つの明確な指標になります。
資格の活用方法は進路で変わる
英検1級は、入試、単位認定、留学などで活用されることがあります。
英検協会では、全国通訳案内士試験の外国語筆記試験について、一定の条件のもと英検1級による免除制度があることも案内しています。
ただし、ここは1級さえ持っていればどの大学・企業でも必ず優遇されると考えないようにしてください。
入試で何点に換算されるのか、出願資格として使えるのか、単位認定されるのかといった扱いは学校や年度によって変わります。
進学や就職で利用したい場合は、必ず提出先の最新情報を確認してください。
資格の価値はみんながすごいと言うかではなく、あなたの目的に対してどう使えるかで考えるのがおすすめです。
英語力そのものを高めたい人にとっては長期的な学習目標になりますし、大学受験や留学などで使いたい人なら、制度と期限から逆算して受験することが大切です。
英検1級最年少合格は何歳?
「英検1級 最年少 合格」と検索すると、小学生で1級に合格した事例がいくつも出てきます。
こうした年少者の合格例を見ると、本当に驚きますよね。
ただし、最年少記録について調べるときには注意があります。
英検協会の現在の公式ページでは、歴代最年少は○歳とする公式ランキングや記録は確認できません。
そのため、ネット上で紹介されている特定の年齢を、そのまま現在も公式の最年少記録として扱うのは避けたほうが安全です。
英検公式サイトには、中学生を含む1級合格者のインタビューも掲載されており、かなり若い年齢で1級に到達した事例が存在すること自体はわかります。
民間の英語教室などでも小学生の合格事例が紹介されています。
しかし、それぞれはその教室における最年少などの場合もあるため、全国の歴代記録とは分けて考える必要があります。
年少合格者の勉強法をそのまま真似しない

年少合格者の話を見ると、自分も同じ単語帳を使えば受かるのではと考えたくなるかもしれません。
ですが、ここも少し慎重に見たほうがいいです。
その人が何歳から英語を始めたのか、家庭でどれくらい英語を使っていたのか、海外経験があるのか、英語でどれだけ読書をしてきたのかによって前提条件が違います。
合格直前の数か月だけを見ても、その人の英語力が作られた全体像はわかりません。
年少者の合格例から参考にしたいのは、年齢そのものではなく、語彙、読解、リスニング、ライティング、スピーキングを目的に応じて積み上げている点です。
過去問を解いて弱点を確認する。
知らない語彙を増やす。
社会的な話題を読み、自分の意見を英語で説明する。
こうした基本は、大人でも学生でも帰国子女でも変わりません。
○歳で受かった人がいるから、自分は遅いと比較する必要もないですよ。
英検は年齢を競う試験ではありません。
自分の目的に必要なタイミングで、自分の現在地から一つずつ積み上げていくことのほうが大切です。
帰国子女も英検1級対策は必要
ここまで読んで、では、帰国子女は結局どんな勉強をすればいいの?と思ったかもしれません。
私なら、最初からすべてを同じ量だけ勉強するのではなく、過去問を基準に弱点を分けます。
帰国子女の場合、すでにリスニングやスピーキングが高いレベルにあるなら、そこへ大量の時間を使うより、語彙、要約、意見論述へ時間を回したほうが効率的な場合があります。
反対に、海外生活から時間がたって英語を聞く機会が減っているなら、リスニング感覚を戻す時間も必要です。
大切なのは、帰国子女向けの勉強法という一つの方法を探すことではなく、自分が落としている場所へ対策を当てることです。
・最初に本番形式で現在地を確認する
・1級語彙は知らないものだけ重点的に補う
・英文要約と意見論述を分けて練習する
・二次試験は1分準備+2分スピーチを再現する
まず過去問を時間内で解く
英検1級を目指すと決めたら、勉強を始める前に一度過去問を解いてみてください。
まだ勉強していないから点が低くなるのが怖い、と思うかもしれません。
でも、この段階では点数の良し悪しより、どこで失点したかを知ることのほうが重要です。
できれば本番と同じように時間を計ります。
すると、語彙問題で止まりすぎて長文の時間がなくなった、要約に時間をかけすぎて意見論述が急ぎ足になったといった問題も見えてきます。
英語力があっても、時間配分に慣れていなければ本番では実力を出し切れません。
過去問は知識を確認する教材であると同時に、時間の使い方を確認する教材でもあります。
英検公式サイトでは過去1年分の問題が公開されているため、まずは現在の形式の問題から確認するとよいでしょう。
語彙は知っている語を飛ばす
英検1級対策では語彙が大きな壁になりやすいです。
ただ、帰国子女の場合は一般的な英単語をすでに大量に知っているケースもあります。
その場合、単語帳を最初のページからすべて同じペースで覚え直すと、時間をかなり使ってしまいます。
一度見てすぐ意味がわかる単語には印をつけ、迷った語、意味はわかるけれど使い方が曖昧な語、まったく知らなかった語を優先してください。
ここでおすすめしたいのは、日本語訳だけを一つ覚えて終わらないことです。
英文の中でどう使われるのか、どのような語と一緒に出てくるのかまで確認すると、長文を読むときにも役立ちます。
特に似た意味の単語が複数ある場合は、ニュアンスや使われる場面まで少し意識すると記憶に残りやすくなります。
毎日大量に新しい語を増やすより、翌日、3日後、1週間後と繰り返して、見た瞬間に意味が出る語を増やしていくほうが本番では使いやすいですよ。
長文は背景知識より論理を追う
英検1級では、社会、科学、文化、歴史、教育、自然、医療、テクノロジー、ビジネスなど幅広いテーマが扱われます。
知らないテーマが出ると、この分野の知識がないから読めないと焦るかもしれません。
もちろん背景知識があれば読みやすくなることはあります。
ただ、すべての分野について専門家になる必要はありません。
長文を読むときは、筆者が何を説明しているのか、どこで反対意見が出てくるのか、具体例は何のために書かれているのかといった文章の流れを追います。
一文ずつ日本語へ完璧に訳そうとすると、時間が足りなくなりやすいです。
帰国子女で英語を英語のまま理解する感覚があるなら、その強みはできるだけ残してください。
わからない単語が一つ出るたびに止まるのではなく、文章全体から意味を推測しながら読み進める練習も大切です。
要約は情報の取捨選択を練習
英文要約で大切なのは、きれいな英文を自由に書くことではありません。
元の文章で重要な情報をつかみ、それを指定された範囲の中で簡潔に再構成することです。
まず本文を読みながら、各段落が何について述べているのかを一言で整理してみてください。
そのうえで、細かな具体例、繰り返し、補足説明などを外し、文章全体に必要な要素を残します。
ここで自分の意見を付け足さないことも重要です。
要約は意見論述とは目的が違います。
意見論述では自分の立場と理由を示しますが、要約では元の文章の内容を正確に縮めることが中心です。
この二つをごちゃ混ぜにせず、別の技能として練習してください。
英作文は型だけで終わらせない
英検1級の意見論述では、社会的なテーマについて自分の意見を論理的に展開する必要があります。
文章を書くことに慣れていない場合は、最初に構成を決めてから書くと取り組みやすくなります。
例えば、自分の立場→理由→具体的な説明→次の理由→まとめという流れです。
ただし、テンプレートを丸暗記して、どのテーマでも同じ表現を当てはめるだけでは対応しづらくなります。
大事なのは、出題されたテーマを見たときに、賛成・反対のどちらなら理由を作りやすいかを短時間で判断できることです。
必ずしも自分が日常生活で本当に信じている立場を選ぶ必要はありません。
試験では、英語で筋道を立てやすい側を選ぶという考え方もできます。
書き終わったら、内容だけでなく、主語と動詞が対応しているか、単数・複数、時制、冠詞、接続表現なども確認しましょう。
帰国子女で感覚的に正しい英文を書ける人でも、制限時間の中では小さなミスが出ます。
最後に数分見直す前提で時間を配分しておくと安心です。
リスニングは過去問を基準にする

帰国子女の中には、リスニングを得点源にできる人も多いでしょう。
ただし、海外生活をしていたからリスニング対策は完全に不要と決める前に、過去問を一度確認してください。
英検1級のリスニングには会話だけでなく、説明文、アナウンス、インタビューなど複数の形式があります。
音声そのものは聞き取れていても、選択肢を読むタイミングや情報を記憶しておく方法に慣れていないと失点する場合があります。
逆に、本番形式で安定して得点できているなら、リスニングの勉強時間を少し減らし、語彙やライティングへ回して構いません。
得意技能をゼロからやり直す必要はないんです。
英検対策では、弱点へ時間を多く配るという判断も立派な勉強法です。
二次試験は実際に声を出す
帰国子女なら二次試験は何もしなくても大丈夫、と考える人もいるかもしれません。
確かに、普段から英語で自然に会話してきた経験はかなり大きな強みになります。
それでも、英検1級特有の1分で考えて2分話すという流れは一度練習しておいたほうが安心です。
練習ではタイマーを使い、本番と同じ時間で行ってください。
1分間で立場と二つ程度の理由を決め、2分間で説明してみます。
そして録音を聞き返します。
途中で同じ話を繰り返していないか、結論がわからなくなっていないか、理由が途中で変わっていないかを確認してください。
流暢さだけではなく、何を言いたいのかが相手に伝わるかを見るのがポイントです。
さらに、スピーチのあとには関連質問があります。
自分の意見に対して反対方向から質問されたときにも、慌てず理由を説明できるよう、同じテーマについて別の立場も少し考えておくと対応しやすくなります。
英検1級対策で失敗しやすい勉強
英検1級は範囲が広いため、頑張っているのに勉強が得点へつながりにくい方法もあります。
特に帰国子女の場合、英語には自信があるという強みがあるからこそ、試験対策を後回しにしてしまうことがあります。
会話力だけで押し切ろうとする
英語を流暢に話せることは、二次試験やリスニングで大きな助けになります。
しかし一次試験には語彙、読解、要約、意見論述があります。
英語は話せるから大丈夫と過去問をほとんど解かずに受験すると、自分では予想していなかった分野で点を落とす可能性があります。
少なくとも一度は技能ごとの得点状況を確認してください。
単語帳だけを延々と続ける
反対に、英検1級は語彙が難しいと聞いて、何か月も単語帳だけを続けるのもバランスがよくありません。
単語は重要ですが、知っている単語が増えても、長文を時間内に読み切れなければ得点にはつながりにくくなります。
要約や意見論述も、実際に書かなければ上達しにくい技能です。
語彙学習を毎日続けながら、週に何回か長文、要約、英作文を組み合わせるほうが、試験全体へ対応しやすくなります。
参考書を増やしすぎる
英検1級になると教材もたくさん見つかります。
単語帳、長文問題集、英作文教材、リスニング教材、面接教材と次々に買うと、それだけで勉強した気持ちになってしまうこともあります。
最初は過去問と語彙教材を軸にし、弱点が見えたら必要な教材を追加するくらいで十分です。
一冊を何度も使うほうが、自分が以前間違えた問題をもう一度確認できます。
教材選びそのものに迷っている場合は、サイト内の英語参考書おすすめ|初心者が基礎から学べる本の選び方を解説も参考にしてください。
1級専用教材の記事ではありませんが、今の自分に必要な教材だけを選ぶという考え方は資格学習でも共通します。
最新形式を確認しない
英検は問題形式が変更されることがあります。
特に現在の1級では英文要約があるため、古い問題集や古い勉強法だけを使っていると、本番形式とずれる可能性があります。
教材を購入するときは対応年度を確認し、受験前には英検公式サイトで現在の試験内容をもう一度確認しておきましょう。
英検1級へ向けた勉強の順番
何から始めるか迷っているなら、次のように進めると整理しやすいです。
- 公式過去問を時間内で解く
まず現在地を確認し、技能ごとの得意・不得意を分けます。 - 語彙を毎日補強する
すでに知っている語は飛ばし、知らない語へ学習時間を集中させます。 - 長文を時間内で読む
全訳ではなく、文章の論理と重要情報を追う練習をします。 - 要約と意見論述を書く
読むだけではなく、時間を決めて実際に英文を書きます。 - リスニングを本番形式で確認する
得意なら維持にとどめ、苦手なら重点的に増やします。 - 二次試験を声に出して練習する
1分準備、2分スピーチ、質疑応答まで本番に近づけます。
この順番のいいところは、最初からすべてを大量に勉強しなくて済むことです。
帰国子女でリスニングがかなり得意なら、その分をライティングへ回せます。
逆に語彙は十分でも二次試験で意見がまとまらないなら、毎日一つテーマを決めて1分で考える練習を増やせます。
英検へ向けた勉強は、たくさんやる人が勝つというより、今の自分に必要な勉強を見つけて継続できるかが大切です。
英語学習全体の進め方から整理したい場合は、英語の勉強方法|初心者が0から迷わず進める学習順序を解説も合わせて読んでみてください。
英検のような資格試験では、一般的な英語力を伸ばす勉強に加えて、出題形式に合わせた練習が必要だという違いも整理しています。
帰国子女の英検1級でよくある疑問
最後に、帰国子女と英検1級について疑問になりやすいポイントをまとめます。
帰国子女なら準1級は簡単?
一概には言えません。
海外滞在年数、教育環境、帰国時期、読み書きの経験によって英語力が大きく異なるからです。
会話が流暢でも準1級の語彙やライティングに慣れていないケースがありますし、反対に高度な読み書きを日常的に行っている人なら十分な力を持っている可能性があります。
肩書きではなく、公式過去問を解いた結果で受験級を判断するのが確実です。
準1級を飛ばして1級を受けられる?
英検は、下の級から順番に取得しなければならない試験ではありません。
現在の英語力が1級相当だと判断できるなら、準1級を取得していなくても1級へ挑戦できます。
ただし、受験料や試験時間もかかるため、最初に1級の過去問を解き、現実的な距離を確認してから申し込むとよいでしょう。
英検1級はネイティブレベル?
英検1級=ネイティブとまったく同じ英語力と考えるのは少し違います。
英検1級は、英検という試験で定められた読む・聞く・書く・話す能力を高い水準で示した資格です。
一方、母語話者の英語力にも個人差がありますし、専門分野、文章力、語彙、発音、社会経験などを一つの資格だけで完全に比較することはできません。
ネイティブかどうかより、英検1級が求める課題をどこまで処理できるかで考えたほうがわかりやすいでしょう。
何か月勉強すれば合格できる?
これも現在の英語力によって大きく変わるため、一律に○か月とは言えません。
すでに準1級を余裕を持って取得している人と、1級の語彙を初めて見る人では必要な勉強量が違います。
帰国子女の場合も同様です。
まず過去問を解き、合格基準まで何が不足しているかを確認してください。
期間ではなく、「語彙」「長文」「要約」「意見論述」「リスニング」「面接」のどこをどの程度伸ばす必要があるかで計画するほうが現実的です。
帰国子女も単語帳は必要?
過去問の語彙問題で知らない単語が多いなら、専用の語彙学習を入れたほうが効率的です。
ただし、すでに知っている単語まで同じ量だけ学習する必要はありません。
最初にチェックし、知らない語だけを重点的に繰り返すことで時間を節約できます。
英語力が高い人ほど全部やるより不足している部分だけ埋めるという考え方が大切になります。
英検1級は帰国子女でも難しい?まとめ
帰国子女だからといって、英検1級へ何の準備もせず合格できるとは限りません。
一方で、海外生活の中で身につけたリスニング力、スピーキング力、英語を英語のまま処理する感覚は、しっかり武器になります。
大切なのは、その強みを否定して一から全部やり直すことではありません。
すでにできることは維持し、英検1級で不足しているところへ勉強時間を集中させることです。
もし今、1級の過去問を解いて思ったよりできなかったとしても、帰国子女なのに英語力が足りないと考える必要はありません。
会話で使う英語と、資格試験で求められる英語には重なる部分と違う部分があります。
まず一回分を時間通りに解いてみる。
そして、語彙なのか、長文なのか、要約なのか、英作文なのか、面接なのかを分けてください。
弱点が一つ見つかれば、次にやることも一つ決まります。
英検1級は簡単な試験ではありませんが、漠然と難しそうと考えるより、必要な技能を分解したほうがずっと取り組みやすくなりますよ。
・公益財団法人 日本英語検定協会「1級の過去問・試験内容」
・公益財団法人 日本英語検定協会「1級の試験内容」
・公益財団法人 日本英語検定協会「準1級の試験内容」
・公益財団法人 日本英語検定協会「各級の目安」
・公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」
・公益財団法人 日本英語検定協会「2024年度 実用英語技能検定 問題形式リニューアル」
・帰国子女に英検は必要?取得するメリットや受験級の目安、勉強法を紹介

